捻転茶会のギフト

投稿日: カテゴリー: 日記

5月最終日。真夏のような日差し。
青山 白白庵での捻転茶会には、大勢のお客様が足を運んで下さった。

前日含め2回足を運んで、陶芸の塩谷良太さん、グラフィックの神戸博喜さんの作品を拝見し、茶会のイメージを考えていた。
お茶会は、その趣旨を掛軸に込め、そこから設えの世界観を決めていくので、自分の茶会の時はいつも生みの苦しみを味わう。
今回は、初めてコラボレーションする二人の作品から受ける印象を、素直に汲み取って表現しようと努めた。

塩谷さんの茶碗は、3月のISETAN茶会の際、一椀頂いて稽古場で使用済みだった。
幾つか並べて置くと、選ばれる頻度が一番高い。
茶碗の中程に入るブルー・ラインが、水平感覚が鋭い日本人には、自然の風景を想起させるのかもしれない。
一方、神戸さんの花の絵は、神聖な静けさを湛えて空間に精神的奥行を与えていた。

設え案は、茶会当日の早朝に降りてきた。

心の花を咲かせよう! それは華厳経が説く「華蔵」のイメージ。
そして、栄西禅師が持ち帰った茶の種から栽培された御茶が広く普及し、禅の修行の際にも有効に飲まれ、「喫茶養生記」にも記されている御茶の効能。
この二つのイメージを一緒に表現したいと考えた時に、南宋の白磁小壺の使用を思い立った。栄西禅師が二度中国に渡って修行した頃は、まさしく南宋時代!

小壺と「心手相隨」の茶杓が決まり、抹茶が身体に沁み渡っていく際に、心の花を咲かせて!というメッセージが決まり、そしてスタートした次第です。

お客様は、気分で選んだお茶碗で大切に抹茶を召し上がって下さり、茶碗のぬくもりを愛おしそうに楽しむ姿が美しく、私にとっての心の花が咲いていました。

「外に求めなくても、ちゃんと自分の中にあるヨ!」というメッセージを込めた茶の湯をしようと、固く心に決めた一日でした。

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